それは似て非なるもの

前作とduodecimでは、duodecimが後付けの物語故の相違点が結構ある訳で。
ある意味自分が1番象徴的だと思うのが、フリオニールの“のばら”。以前の記事にも記したケド。
以下、そんな事からつい想像してしまったネタのメモっぽいモノ。



「へぇ〜、こんなところでも花が咲くんだなぁ」


「花か、確かに珍しいな……。何ていう花なんだ?」
「この花の名前か? ああ──外に落ちてるバラだから、“のばら”だな」
「“のばら”?」


 見た事の無い風景、見た事の無い“誰か”──そして、“のばら”。
 スコールが居ると言う事は、この世界で起きた事なのだろう。では何故覚えてないのだろう?


 …………


 パンデモニウムですれ違いざま、ガーランドはゴルベーザに問うた。
「想いが育ちつつあるな……あの花は、貴様の仕業か? 小細工を仕込んだところで、奴らの時間は決して戻らんぞ」
「過ぎた時を振り返る必要は無い。新たな時が刻めれば……」
「次こそは、救えるとでも?」
「さあ……どうだろうな……」


 …………


 どうやらフリオニールにとって、この“のばら”は様々な思い出に繋がっているらしい──まるで思い出せないその過去で、その時の想いと共に封じ込めたかの様に。


「正直な所、イミテーションには苦しめられていたんだ」
「数で圧倒されているからな」
「クリスタルが手に入るまでの時間をどうやって稼ぐべきだろうか……このままひたすら戦い続ける事なんて、きっと出来無い──」


「──はセシル達と一緒だったよな? 途中ではぐれたのか?」
「……そんな所だ」
「気持ちは分かるが、あまり悩むなよ。俺もお前も無事なんだ、みんなだって無事だ」
「そうだな。まだ倒れるには──早い」


「他の仲間には全然会わなかったのか?
「1度偶然会った戦士と現状を憂えたぐらいだ。他の奴には会っていない」
「……実は、嫌な噂を耳にしたんだ──俺たちの仲間が既に何人か倒れているって。敵の言葉を素直に信じるつもりはないが、こんな状況だから、ちょっと心配でさ……」
「──確かに、な」


 …………


不意を突かれ、セフィロスに“のばら”を奪われた。
 取り返さなければ、その思いだけでフリオニールは敵地に飛び込んだ。ティーダやセシルの止める声すら耳に入らなかった。
 後から、2人からそれを聞いたライトが追い掛けてきて、丁度刃を交えている所へ現れた。フリオニールの方が押されているのを見て取ったライトは、仲間達を頼むと言って彼を退がらせた。フリオニール自身も今の自分では敵わないと何処かで分かってしまっていたので、聞き入れざるを得なかった。
 そして2人の所へ戻りながら思う──何故、俺はあの花にこうも執着するのだろう?


 …………


「お前のものだったのか。それなら早く言えば良かっただろう」
「……そうだよな、なかなか言い出せなくてごめん。花なんて、何だか気恥ずかしくて言えなかったんだ」
「まさかお前が持ち主だったとはな──ほら、返してやる」


 …………


 何故だろう、大切な事を忘れている気がする。
 同時に、酷い違和感を感じる。


 これは、本当に俺の記憶なのか?


 …………


「随分、大事なものみたいだな」
「ああ──いや、本当はよく分からないんだ。花の事なんて、俺には何の知識も無い──でも、この花の名前を聞いた時、何かが強く心に響いた様な気がしたんだ」


「大事にしたらいい」
「お前にとって必要なんだ、人の目なんか気にするな」
「でも、全てを思い出して、もし──」


 …………


 ──ああ、そうか。
 “それ”が視えた瞬間、何故か納得してしまった。
 これはきっと、この世界の記憶なのだ。混沌に属する者達の言う様にいつ終わるとも知れない永劫の戦いの輪廻が繰り返されてきたのならば、その中で命を落とした者達もいた事だろう。この輪廻がどの様な構造を持っているのかは分からないが、そんな戦士達の想いがこの世界に残っていたのかも知れない。


個人的には、前作(UT版含む)と今回のduodecimはパラレルワールドの様な関係だと思ってたり。時間軸は同じでも、そこに至る迄の流れが違うと言う。
で、それをフリオニールののばらと絡めてみたら面白そうだなと。あとゴル兄。


つーかフリオニールとライトニング姐さんがいい雰囲気になるとは思ってなかったヨ! もし12回目の時一緒に行動する事になってたら、違う結末を迎えてたカモだ。まあだからこそ今回のネタが出てきた訳なんだけど。