“伝説として語られる歴史の中の歪み《ひずみ》”

本家original部屋に放り込んである話を抜粋。

 カタストロフと呼ばれる天災と、それによって引き起こされた大戦争時代の事だ。male達はfemale達を単なる“子供を産ませる為だけの道具”として扱おうとした。female達は妊娠するとすぐ堕胎する事で、それを拒否した。中には自らを傷つけてでも堕胎したって話だ。
 そんな訳で次にmale達がしたのは、妊娠が分かったfemale達を拘束する事だった──まあ大体は、頃合いを見計らって拘束したらしいな。するとfemale達は産む事そのものを拒否する様になった。だけど妊娠しちゃったモノを産まないってのはそう簡単にうまくいかないから、生まれた子供がmaleだった時、female達は自らの手でその子供を殺した。諸悪の根源がmale達だと言うなら、要はこれ以上数を増やさせなければいいからな。
 だけどそれはmale達にしてみれば困る訳で、子供が産まれたら速攻で隔離し、更にmaleとfemaleとで選別して自分達の望む様に育てようとした。
 そこに至ってfemale達は今後一切maleを産まない為、そしてmale無しで子供を産む為に第3の性“femela”を持つ、人類にとっての次世代種を産み出した──


 これはあくまでも“伝説”だ。だから事実と違う所や矛盾する所が結構ある。──これじゃ人類以外の生物の殆どにも第3、第4の性がある事の説明は出来無いし、そもそもカタストロフよりもっと前の時点で現在の3人種が出現していた訳だからな。
 だけどこんな風に伝説化されたと言う事は、そこに幾つかの真実が混ざっていると考えられる。きっとその時代に行われた“何か”がこの伝説のベースになったんだろうよ。


まあなんつーか、何れこんな未来も訪れかねないと思う今日この頃。この話を書いたのはかれこれ4年以上前なんだけれども。