やっぱり今夜も見てしまった

黒沢アンコールの「生きる」。
最初の3分の1で主人公を連れ回す胡散臭いおっさん(?)のタクシーの中で「失敗したー」みたいな顔をする所とか、真ん中の3分の1の最後で役場を辞めた女の子から何かを作ってみればみたいな事を言われる所が妙に印象的だったけれども、全ては最後の3分の1の為にあったんだなーと思ったヨ。
……何となくネタバレが入りそうだから下げておこう。


最後の3分の1は主人公の葬式シーンだった訳なんだけれども、そこで主人公が公園を造る為に粘りまくった事がそれに関わった役場の周りの人間から語られてく訳で。「公園を造った功績は全部オレのモノー」みたいな調子で葬式でもふんぞり返っていた助役が、主人公が公園を造る為に粘っていた事を知っているおばちゃん達が焼香に来た事で、おばちゃん達が帰った後ですごすごと帰って行くのが何とも言えず。
そして上の方の人間がいなくなった事で公園を造るのに関わった下っ端の役人達がぶっちゃけ話を始める訳で。そこで入る回想シーンからやっぱり主人公は自分の病気を知っていたから行動を起こしたんだろうと言う結論に辿り着くんだけれども(そして実際主人公は最初の3分の1で病院に行った時に医者の言い回しから知っていた訳なんだが)、それで今のままじゃ駄目だー、主人公の意思を継がねばーとか言ってた割に、結局は酒が入った勢いだったのか何なのか、以後もお役所仕事が続いて行くのがなんとも皮肉。
しかし最後に焼香に現れたお巡りさんの懺悔と言うか告白のシーンで、オレサマ涙腺決壊。駄目なんだよー、ああ言う死に様とかそう言うのを見せられると弱いんだよー。正直これを打ち込んでる今もあのシーンを思い出しては涙が出てくる状態です。
やっぱり生き様が出ると思うんだ、死に様に。
(ここから下は090204追記)
あと妙にインパクトがあったのが、やっぱり葬式での回想の所。主人公をおとなしくさせる為に雇ったのであろう(誰が雇ったのかは言わずもがなだが)やーさん達が、主人公に「死ぬのは怖いだろう」とか何とか(セリフウロ覚え)凄んだは言いけれど、主人公はそれに対してただ何も言わずに笑顔を返すモンだから逆にびびっちゃって帰る所。あのシーンの主人公の笑みが何か凄絶と言うか。