Quatre Juillet

神のみぞ知るセカイ”の最新刊を読んでるウチに無性にADV系と言うかビジュアルノベルタイプのゲームがやりたくなったんで、DD-HOST webってトコからごっそりダウンロードしまくってきた。つってもフリーのゲームだけ(ぇ
そのうちの1つがこの“Quatre Juillet”だったんだけれども、これがなかなか重いテーマの内容だった……。


とりあえずネタバレが入りそうなんで収納ー。


話は二部構成になってて、どちらも1日ずつ話を進みます。前半は中世ヨーロッパを連想させる様な街が舞台。救出部隊入を目指す訓練生の青年の視点で進んでく、クリスマスイヴまでの話。ここで起きる事件がこのゲーム全体のテーマと思われ。
後半は樹と言う現代高校生男子の話で、構成からしてこっちがメイン。こちらは樹の誕生日である7月4日まで。
メインキャラとしては樹の友人の同級生男子+ヒロインに当たるキャラが3人いて、ヒロインの内の誰が登場するかは選択肢次第。勿論その選択によってはヒロイン抜きで、エンディングも流れず中途半端に終わるパターンもあったり……。ストーリーの変化はヒロインのウチ2人だとあまり無くて、せいぜい樹の飼い犬に関する部分と、夏祭りイベントぐらい。とは言え30分程度でクリア出来る事を考えるとこんなモンか。
但し1人だけ遭遇場所や登場タイミングが違う事もあって、微妙に展開が変わります。エンディングで前半の内容を受ける様な話が出てくるのもこの1人の時だけ。ここで前半で起きた事件が樹の見た夢として語られるんだけれども、その上で改めて樹が自分の考えを口にする所が本当に重いんだ……。
簡単にまとめてしまえば、“死が間近に迫っている者を(当人の意思を無視してまで)延命する事の是非”って事なんだろうけれども。
しかもこの話の場合は発見が遅かった為に手遅れで、最期の日まで残された時間は少ないと言う状況。その中でどう生きるかを選択するかと言うのもテーマの1つだった様に思う。いやまあ後半開始時点で既にその選択は成されてたんだけどね、この話の場合は。後は(ヒロインを含めた)周囲の人間がその選択をどう受容するかと言う問題だけで。
但し病気の事も残された時間の事も、知らされていたのはごく一部の人々だけで、ついでにいうとヒロイン達は最期の瞬間の直前まで事情を知らないけれどもー。


処でこのゲームは“7月4日の物語”と言うシリーズモノの1つと言う位置付けにあるらしいんですが(このゲームもタイトル自体が7月4日を意味してるし)、他のシリーズをやってなくてもplayに問題無いです。ただ旧作をやっていれば異常気象のあった日に起きた出来事が何を指すのかが分かったりとか、そう言った裏設定の部分でニヤリと出来る程度に抑えられてるカンジ。
そしてこの“Quatre Juillet”をクリアしたら、サイドストーリーの“EASEL”をplayする事をオススメ。樹はサブキャラとして登場するんだけど、“Quatre Juillet”では謎だった樹の家庭の事情とかがある程度判ったりします。つーか“EASEL”自体が“Quatre Juillet”をplayしてるのが前提になってると思われ。
尤もこっちもこっちで戦時下という重い状況から始まる話なんだけれども(多分“生と死”が共通テーマなんだろうなあ……)、playしてソンは無いと思う。play時間も“Quatre Juillet”と同じか少し短い程度だし。それに“Quatre Juillet”じゃ拝めなかった樹の顔も“EASEL”なら見れるしネ!(それは微妙に勧めるポイントとは違うんじゃなかろうか